マイクロソフトが5/2(米国時間)ニューヨークで教育機関向けの発表会を行いました。そこで新しいWindows 10のバリエーションとしてWindows 10 Sを発表しました。Windows 10 SのSとはSecure、Superior Performance、Soulを示すものです。
Windows 10のWindowストアから入手できるアプリのみをインストールできるものとなります。Windowsストアからといっても所謂ストアアプリやUWP(Universal Windows Platform)のアプリだけしか動かせないわけではなくWin 32のアプリであってもねWindowsストアに登録されているものならインストールはできるということになります。マイクロソフトが安全とみなしたアプリのみがインストールできるということになるでしょう。
PCの設定はUSBメモリに保存でき他のWindows 10 S搭載PCに挿すことにより、元の設定でPCを動かすこともできます。
また、Webブラウザに関しては既定のブラウザをMicrosoft Edge以外には設定できません。
教育関係では(つまり生徒と先生達)にはOffice 365 for Educationが付属しており、無料利用券が付いています。教育用マインクラフトも無償提供となります。
Windows 10 Sと他のWindows 10のエディションの違いです。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4020089/windows-10-s-faq より
Windows 10 Sに関しては下記のマイクロソフトのページにも日本語でFAQが記載されています。
そして、PCメーカー各社からWindows 10 S搭載のパソコンも登場します。Acer、ASUS、Dell、富士通、東芝、Hewlett-Packard、Samsungから$189からの低価格で発売されます。日本国内の展開は不明ですが。発売されれば3万円以下での価格で販売される可能性もあるかもしれません。最小構成では、CPUはCeleron N3060、メモリ 4GB、ストレージ eMMC 64GB、モニタは11.6インチ(1366×768)のようです。HP Streamクラスですね。
聞くところによると教育関係のChrome Bookの導入例も多くマイクロソフトとしてもこの分野に力を入れようとしているのでしょう。ですから、Chrome OSの対抗手段として安全に使えるWindows 10 Sを出したのもうなずけます。
また、Windows 10 SはWindows 10 Proへのアップグレードも用意しています。かつてARMプロセッサ向けであり安全に使うという意味でWindowsストアアプリのみ動かすWindows RTがありましたが、残念ながら成功とは言えませんでした。Windows 10 SはWindows 10 Proへのアップグレードパスを用意することで、これからステップアップさせる可能性を残したという意味で、RTの教訓を生かしているのではないかと考えられます。Windows 10 Proへのアップグレードは$49と言われています。
今回の発表はあくまでも教育関係としてのマイクロソフトのスタンスを示すものです。$189からのノートパソコンを発売していくにしても、実際のところはネットブックの延長であり、低価格パソコンの敷居をさらに下げたものと言えるでしょう。ビジネスやホビー用途(趣味でパソコンを使うなど)の場合は、今まで通りWindows 10 Proで10万円以上の価格帯のパソコンを使っていくことには変わりはないと思っています。ただ、この後の記事で紹介するSurface Laptopが何を意味するかで状況も変わってきます。