第4章 第二世代8ビットパソコン
4.4 MZ-80B
パソコンの草分け的存在であるシャープ MZ-80も進化を続けていました。半完成品のキットであるMZ-80Kから、その完成品として発売されたMZ-80K2や MZ-80Cなどに加えて、MZ-80シリーズ10万台出荷記念モデルのMZ-80K2Eとマイナーチェンジは続きます。そして、最上位機種のMZ-80Bが登場しました。
MZ-80Bは1981年に発売されました。それまでのホビー色の強いMZ-80K/Cシリーズとは異なり全面シルバーボディーの角ばった(よりシャープな)デザインで高級感を出していました。CPUは、Z80Aで4MHzに高速化され、メモリも大容量(!!)64KB搭載する高級機です。価格も278,000円とパソコンとしては高価な部類に入りました。
グラフィックはオプションで320×200ドットのグラフィック表示が可能になっていました。残念ながらこの時点でも一体型のモニタはグリーンモニタでモノクロ表示でした。外部記憶装置のカセットインターフェースは、従来機の1200bpsから高速化され2000bpsとなり、初めてカセットテープの巻き戻し・早送り、頭出しが制御できるようになりました。
クリーンコンピュータ構想はそのまま引き継がれ、「未来対応型」という最大の特徴がカタログに掲げられていました。「BASICマシンではなく自在な応用性を持つシャープのクリーンコンピュータは、3年先や5年先も使える「マイコン未来形」です」というメッセージで他社との差別化を図ろうとしました。しかし、このカタログは冗長で分かりづらいですね。実際に3年や5年後は時代が変わってしまいましたし、MZ-80Bは未来に対応しきれませんでした。