第6章 富士通 FM-7
6.3 FM-7購入!!1983年3月7日はパソコン記念日
高校受験日は1983年2月18日でした。私立の某大学付属の高校になんとか合格しました。合格発表は2月20日でした。合格しないと困るので、勉強に励みました。そのため、アマチュア無線や電子工作やパソコンのエアプログラミングは控えていました。合格してからは開放感でいっぱいでした。しかし、問題はパソコン購入の許可をどうやってもらうかでした。自分の貯金でも10万円を超える買い物は当時としては勝手にできませんでしたから。
ついにパソコンが買えることになりました。早速、駅前のLaOXへ相談しました。当時のLaOXは「町の電気屋さん」で、何かあると馴染みの店員さんが家まで来てくれたものです。ただ、駅前のLaOXはパソコンなんて置いてありませんでした。店員さんも家族と仲よかったから、パソコンを買うと言ったらすぐに家に来てくれました。パソコンは富士通のFM-7を機種を指定して、オプションは何が欲しいかを伝えていました。
最初考えていたのは、下記の構成です。
- FM-7本体
- RFアダプタ(居間のテレビにつなげて使うつもりでした)
- データレコーダー(カセットテープレコーダー)
駅前のLaOXの店員さんはわざわざ新宿のLaOXに行って色々と調べてくださり、提案してくれたのが「RFアダプタでテレビに繋ぐのではなく、カラーCRTモニタにした方が綺麗に映るし、これから使い続けるのならモニタを買った方がいい」とのことでした。パソコンをなんとかテレビに繋ぐことばかり考えていたので、モニタ購入は考えていませんでした。ここは思いきって富士通のカラーCRTモニタを買うことにしました。家に届けてもらうことになったのですが、一週間以上かかり、とても長い間待った気がします。
時に1983年3月7日。家に帰ってきたら母に「届いているよ」と言われて部屋に入ったら、FM-7本体の箱とカラーCRTモニタの大きな箱、そして三洋電機のデータレコーダーの小さな箱が置いてあります。あのFM-7の白い段ボール箱にオレンジ色のFM-7のロゴ、富士通のロゴを見た感動は一生忘れられません。「おおおーーーーーーキターーーーーーーー!!」って大喜びしたのを覚えています。
急いで夕飯を食べて、FM-7を出します。新しい製品のあの「新製品のかほり」が漂います。早速電源を入れます。
画面が表示されてカーソルキーが点滅します。早速PRINT文とCOLOR文で文字を画面に表示させたり、LINE文やCIRCLE文で線や円を描画したり、PAINT文で塗りつぶしたりしました。今まで電気屋さんでしかできなかったことが自分の家で自分の所有しているパソコンでできたことが夢のようです。
親父も興味津々で、私が寝た後にBASICのプログラミングの本片手に色々と使い込んでいました。それ私のパソコンだろと思いました。