連載 わが青春の8ビットパソコン 第4章 第二世代8ビットパソコン「4.2 富士通FM-8」

第4章 第二世代8ビットパソコン

4.2 富士通FM-8

 日本電気、シャープ、東芝、日立とパソコンが出てくる中でついに富士通がパソコンを発売します。ただ、電機メーカー=家電メーカーという印象でいたため、「富士通?ってそんな会社があるの?」というのが当時の中学生の感想でしてた。そうです、富士通は汎用計算機では日本を代表する企業であり、IBMと互角に渡り合う世界的なコンピューターメーカーです。

 富士通は元々はLKIT16というトレーニング用のボードコンピュータを出していました(松下との合弁会社のPanafacomからですが)。富士通初のパソコンはFM-8。正式名称Fujitsu Micro 8です。型式はMB25020。富士通のパソコンは「FMシリーズ」と呼ばれていますが、名前の由来はここから来ています。

 8ビットパソコンとしては、日本電気のPC-8801、日立のベーシックマスター、シャープのMZ-80Bと並ぶ高級8ビットパソコンと言えるでしょう。当時は半導体拡販の一つとして富士通の半導体事業部から発売されました。富士通川崎工場から出荷され、梱包の段ボール箱にも富士通半導体事業部と書かれていました。

 FM-8のCPUはモトローラ社の6809です。多くのメーカーがザイログ社のZ80を採用していましたが、富士通と日立はモトローラ系を採用していました。特徴的なのが6809を二基搭載したデュアルCPU構成です。メイン処理とグラフィック処理を行うサブCPUから構成されていました。8ビットCPUは64KBのメモリ空間しか扱えませんが、グラフィック処理を行うためのメモリ空間は640×200ドットの8色表示の場合48KB必要でした。各社はメモリ空間を切り替える「バンク切り替え方式」(PC-8801)を採っていましたが、FM-8ではもう一つCPUを載せて、そのCPU(サブCPU)に画面表示処理を任せてしまう方式を採りました。いかにもコンピュータ開発のプロが作った凝った構造だと言えるでしょう。逆にゲームには不向きなハードウェア構成となってしまいましたが、これは後述するFM-7でお話します。

 オプションとしては、漢字表示用の漢字ROMボードや、Z80そのものを搭載してCP/Mが動作するZ80カードなどが豊富に用意されていました。

 カセットテープやフロッピーディスクなどが外部記憶装置として一般的でしたが、FM-8には「バブルメモリ」という独自の外部記憶装置がありました。これは磁気バブルを使ったメモリモジュールで、容量は32KBまたは128KBでした。しかし、容量あたりの単価は高く、コストパフォーマンスに劣っていました。さらに、本体にはアナログ入力を行うアナログポート(A/D変換器のインターフェース)が備わっていました。これは本来の用途以外にもジョイスティックとして利用されるようになりました。しかし、後継機種であるFM-7ではアナログポートは省略され、FM-8独自の機能となりました。

 グラフィック機能は640×200ドット、8色表示ですが、グラフィック性能は決して速いとは言えませんでした。 BASICで線を描画するLINE文や円弧を描くCIRCLE文では、描画しているところが目で追える程でした。逆にゲームではビームを打っているように見えるなどの描画効果がありました。

 この流れはFM-7とFM-11に受け継がれます。

次回「4.3 PC-8801」

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