連載 わが青春の8ビットパソコン 第7章 快走!!FM-7!!「7.7 FM-7版XEVIOUS」

第7章 快走!!FM-7!!

7.7 FM-7版XEVIOUS

 縦スクロールのシューティングゲームの先駆けといえるナムコのXEVIOUSが私が好きなゲームの一つです。私は(親やおばあちゃんに「不良になるからダメ」と固く禁じられていたため)ゲームセンターにはほとんど行かなかったので、本物のXEVIOUSは数えるほどしか遊んでいませんでした。空中の敵と地上の敵がいて、あるところを爆撃すると隠れキャラが出てくる、さまざまな地形や攻撃パターンの敵が出てくる展開は本当にワクワクしました。

 そして、電波新聞社からFM-7版のXEVIOUSが発売されました。私は予約してワクワクしながら神奈川県のLaOX大和店に買いに行きました。5インチフロッピーディスクで発売されていて、ジョイスティックも付属していました。早速遊び始めたのですが・・・スクロールが遅くて波打っていました。「XEVIOUSの雰囲気」はありましたが、オリジナルとはかなり違っていました。雑誌記事では「逆にオリジナリティのあるゲーム」とまで書かれていました。それでも自宅でXEVIOUSが遊べることに感激して、何度も挑戦しました。

 スクロールゲームの処理が遅かったのは、ソフトウェアだけで行おうとしたからだと思います。FM-7は二つのCPUを搭載していて、画面表示機能はサブCPUに任せていました。メインCPUとサブCPUはメモリ空間が別で、データ転送は127バイトしかない共有メモリエリアを介して行わなければならず、非常に時間がかかりました。おそらくメインCPUで生成したグラフィックデータを共有メモリエリアを介してサブCPU側のメモリ空間に転送し、スクロールさせた画面位置に表示させたのだと思います。

 工学社から「DELPHIS」というXEVIOUSに似た縦スクロールシューティングゲームが発売されましたが、こちらはスクロールがとても滑らかでした。FM-7には画面の表示位置をハードウェア的に設定できる機能があり、データを効率よく展開して表示位置をハードウェア的にずらすと、快適なスクロールが実現できたのです。これをハードウェアスクロールと呼んでいました。XEVIOUS開発時にはこの手法が解明されていなかったか、プログラマーが知らなかったのでしょう。後にDELPHISのプログラマーにXEVIOUSを作り直してほしいと言われるほどでした。 XEVIOUSは私が夢中になったゲームの一つでした。自宅で思う存分楽しめるというのが魅力的でしたね。

次回「7.8 時分秒プロテクト」

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