第6章 富士通 FM-7
6.4 テキストとグラフィックの混在
FM-7は他のパソコンとは異なる構成がいくつかありました。まず、画面表示システムはFMシリーズ独自のものでした。画面表示に必要なメモリ領域があります。このメモリ領域はVRAM(Video RAM)と呼ばれます。PC-8001などのグラフィック機能を持つパソコンは文字を表示するためのテキストVRAMとグラフィックを表示するためのVRAMが分けられていました。よって、グラフィックと文字表示を重ね合わせることができます。FMシリーズにはこのテキストVRAMがありませんでした。文字もグラフィックとして表示していました。ですから、グラフィックを表示している画面に文字を表示すると文字の余白部分がそっくり欠けて表示されてしまいます。ゲームなどで文字表示するときは、文字自体をグラフィックとして作成するなど苦労しました。