第7章 快走!!FM-7!!
7.3 漢字ROM
今では当たり前ですが、パソコンで日本語を表示するのは一苦労でした。ニホンゴヲヒョウジスルノニハカタカナデカクシカナカッタノデスというのは、漢字を表示するためには「漢字ROM」というオプションを買わなければならなかったからです。これはROMに漢字のドットパターンを記録したものでした。漢字の表示はその後長い間、漢字ROMというハードウェアで提供されてきました。そうです、あのIBMのDOS/Vが出てくるまでは。
この時の漢字表示は、データとして用意されただけで、実際にはアプリケーションが対応しなければ表示できないという状態でした。つまり、OS(いや、BASIC)ではサポートされていなかったのです。その後、「漢字BASIC」として登場するようになります。漢字は16×16ドットのドットパターンから構成され、JIS第一水準の漢字パターンを記録していました。第一水準だけだったので、私の名前の木澤の「澤」は表示できなかったんです。ROMの容量は128KBでした。表示はグラフィックパターンとして行われました。(FM-7は通常の英数字表示もグラフィック表示でしたが)FM-7の解像度は640×200ドットだったので、漢字表示は画面いっぱいにすると40桁×12行しか表示できませんでした。
アプリケーションソフトとしては、日本語ワープロソフトや表計算ソフトなどのビジネス用途のソフトが対応していました。ゲームソフトでは、麻雀が漢字表示に対応したものなどがありました。