連載 わが青春の8ビットパソコン 第7章 快走!!FM-7!!「7.4 ドットインパクトプリンタ」

第7章 快走!!FM-7!!

7.4 ドットインパクトプリンタ

 プリンタも買いました。エプソンのRP-80F/Tというドットインパクトプリンタです。これは半ばFM-7を共同利用していた父が出資してくれました。先ほどの漢字ROMと日本語ワードプロセッサのソフトと合わせてビジネスパソコンとして使っていたものです。

 印字する紙は「ファンフォールド紙」という両脇に穴が開いた専用紙を使います。この紙は一ページごとにミシン目がありました。突起のあるホイールに穴をひっかけて回転させることで紙を送ります。当時のプリンタのスペックとしては、「80桁」印字できるものか、扱える用紙の幅が広くて「136桁」印字できるものがありました。RP-80F/Tはその名の通り80桁印字できるプリンタでした。

 ドットインパクト方式と呼ばれる印字方式では、紙に重ねたインクリボンに微細なピンを叩きつけて印刷します。このピンは縦9ドットありますが、通常文字は縦8ドット構成で、残り1ドットはアンダーライン用です。ピンは横にスライドしながら文字を作ります。インクリボンは布製でテープ状になっており、回転しながら使用します。そのため、「インク切れ」ではなく、「印字が薄くなる」ことで交換時期を知ります。また、ピンを打ち付ける音が大きいことも特徴的です。今では珍しいこの方式は、「印刷している感」があり趣深いものでした。

 9ピンしかないプリンタでは、漢字を印刷することは困難です。ビジネス向けには、漢字ROMを内蔵し、ピン数も16ピンに増やした「漢字プリンタ」が登場しました。24ピンや48ピンなど、さらに高精細なプリンタもありました。当時のワープロ専用機では、16ドットが一般的でした。それでは、9ドットのプリンタでどうやって感じを表現するかというと、縦方向に1ドットずつ抜いて漢字パターンを半ドットずらしながら重ねて印刷します。これで意外とまあまあな感じが出せたんです。

次回「7.5 フロッピーディスク」

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