連載 わが青春の8ビットパソコン 1章 パソコン少年誕生「1.6 第一家庭電器とLaOX」

第1章 パソコン少年誕生

1.6 第一家庭電器とLaOX

 当時中学生だった私にはとてもパソコンは買えませんでしたし、買ってももらえませんでした。まあ、そんなもん買ったら勉強しなくなって高校受験に差し支えるということも言われますから。そうでなくてもアマチュア無線や電子工作で勉強もろくにしなかったので(今でも勉強しませんけどね)。

 当時は電気屋さんにパソコンコーナーが割とあって、パソコンが置いてあったんです。日本電気のPC-8001とかシャープのMZ-80Kとか日立のベーシックマスターとかですね。しかも、結構自由に使わせてくれたんです。今考えると信じられませんよね。店員さんともお友達になれたし、買いもしないのによく遊ばせてくれたりしました。よく行ったのは大和市(神奈川県)の第一家庭電器やLaOXです。また、横浜市の希望が丘にあるのロケットなどにも遠征に行きました。土曜日の午後や日曜日なんか丸一日触っていましたよ。何をしていたかというと、自分の作ったBASICのプログラムを打ち込んで動かしてみるんです。平日に一生懸命ノートにプログラムを書くのです。それを週末にお店のパソコンで試します。手書きのプログラムが動いた時は感激でした。

 また、パソコン雑誌のI/OやRAMや月刊マイコンを持ってゲームプログラムを一生懸命打ち込み、少しずつカセットテープに記録しました。すべて入力し終わるとゲームで遊んだものです当時はプログラムをカセットテープに保存していました。シャープのMZ-80Kにはカセットテープレコーダーが標準装備されていましたが、PC-8001ではオプションでした。そのため、お店によってはカセットテープレコーダーが置いてあったりなかったりしました。置いていない場合は、カセットテープレコーダーを自分で用意するしかありません。私自身どうしていたか覚えていませんが、自前でカセットテープレコーダーも持ってきている人もいました。

 色々なパソコンを使えて楽しかったです。ですから、各社のBASICの違いも学びましたし、どんなパソコンでも特徴を理解して使えました。高校生になって自分用のパソコンを買えるまでは頻繁に通っていました。私たちがお店でパソコンを使うことも店としてもパソコンのデモンストレーションになっていたかと思います。(いや、それは思い込みか)

 でも、そんな状況も長くは続かなかったと思います。お店が厳しくなったのでしょう、やがて店員さんも冷たくなって、ひどい時にはプログラムを打ち込んでいる最中に掃除をするふりをしてコンセントを抜かれたとかいう話も聞いたことがあります。でも、そのお店には感謝しています。貴重な経験をさせてもらえました。もちろん初めてパソコンはLaOXで買いました。(別の店舗でしたが。)

次回「1.7 西武労働レストラン」

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