連載 わが青春の8ビットパソコン 第6章 富士通 FM-7「6.7 ?YAMAUCHIコマンド」

第6章 富士通 FM-7

6.7 ?YAMAUCHIコマンド

 FM-7ではVRAMへダイレクトアクセスが不可能だったことがゲーム開発上大きな障害となっていました 。他社製パソコンではVRAMへデータを書き込めば画面表示されます。PC-8801はメモリ空間を切り替える「バンク切り替え方式」を採っていました。X1はZ80のI/OポートにVRAMを割り当てる「メモリマッブドI/O方式」を採っていました。

 FMシリーズでは画面表示処理全般(文字,グラフィック) を専用チップ(サブ CPU) ひかえており, VRAMへのアクセスもサブCPU経由しか行えません。プログラムを実行するメインCPUからVRAMへ直接アクセスする方法は存在しません。その代わり、メインCPUからVRAMのデー タを参照・変更・削除することで,サブCPUにVRAMのデータを書き込むよう指示することが可能でした。メインCPUとサブCPUの間のデータの授受を行う共有メモリ領域は128バイトしかありませんでしたが、$FC00番地から$FC7F番地までの領域に割り当てられていました。サブ CPUに描画命令を送る際には,「線を引け」「円を描け」などの単純な指示だけではなく、VRAMへ直接データを書き込むこともできました。しかし、これではゲームに必要な高速な描画は難しかったのです。

 そこで登場したのが裏コマンドと呼ばれるものでした。?($3F)YAMAUCHIから始まるコマンドは、メインCPUからサブCPUに任意のプログラムを送り、サブCPUに実行させることができるようになっていました。このコマンドは元々デバッグ用に富士通の技術者「山内さん」が作ったものだと言われています。YAMAUCHIコマンドはFMシリーズのプログラミングでは有名な話題でした。

次回「6.8 裏RAM」

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