うろたえないでWindowsのブルースクリーン

 最近、Windowsで話題になった「ブルースクリーン」について説明します。これはブルーバックスクリーンやBSoD(Blue Screen of Death)とも呼ばれます。WindowsがOSの続行が不可能になったとき、OSは動作を緊急停止し、青色の背景の画面を表示して止まります。仕事中に突然この画面が表示され、大切なデータが失われてしまうと、非常にショックを受けます。

ブルースクリーンはネガティブな存在か?

 確かに、OSの動作が停止してしまうと、良い思いをする人はいないでしょう。それがWindowsを否定的に評価する一因ともなっています。しかし、本当にそれだけが全てでしょうか?実は、そこにはきちんと設計された要素と、それによるメリットが存在します。

ブルースクリーンのメリット

 ブルースクリーンが表示される原因はいくつか考えられます。OSに直接影響を及ぼす特権を持つプログラム(例えばドライバ)が異常を起こした場合、ハードウェアの問題によりOSの動作が不可能になった場合、またはOS自体に問題が存在する場合などがあります。

被害を広げないための安全装置

 Windowsの処理が続行できないほど深刻な事態になった場合、Windowsは動作を強制的に停止します。これは、「これ以上の被害を防ぐために」システムを保護する役割を果たします。不安定な状態で無理に使用し続けると、取り返しのつかない事態を拡大する可能性があります。

原因を探る手かがりになる

ブルースクリーンを表示した際に、「STOPコード」を表示します。更にどのプログラムで止まったかを出してくれます。例えば、2024年7月19日に発生したクラウドストライクのセキュリティソフト起因による大量Windowsブルースクリーン発生も画面に「csagent.sys」と表示されたために早くから原因の絞り込みができました。

例えば表示したプログラムが何かのドライバであり最新のドライバにアップデートしたら問題が解決することもあるかもしれません。

ハードウェア故障の検出

Windowsの動作を止めるほどの要因にパソコンのハードウェア故障が挙げられます。プログラムを実行しようとしているのにメモリが正しく読み書きができないことやファイルを読み書きするのに正常にストレージにアクセスできないことがあるでしょう。特にWindowsの機能そのものをファイルから読めなくなってしまっては動作のしようがありません。そのようなハードウェア故障を起因とする障害にもWindowsの動作を止めてブルースクリーンで要因を表示ます。

STOPコードである程度判定

では、ブルースクリーンで表示されるストップコードですが、これを見ればすぐに問題が解決ということはありません。ほとんどのケースは何を言っているかわからないものです。専用のツールを使って解析できたりする専門家でないと原因の特定ができません。コードの情報はこちらにも書かれています。

バグ チェック コード リファレンス – Windows drivers | Microsoft Learn

専門家でなくてもある程度原因が想定できるものがあります。それは先ほど書いたハードウェア故障に関する内容です。例えば、「MEMORY_MANAGEMENT」です。メモリに起因するものです。メモリが故障しているかもしれませんし、メモリスロットで接触不良が起きているかもしれません。デスクトップパソコンの場合はパソコンの中を開けて恐らくたくさんたまっているであろう埃を掃除してメモリの抜き差しをすると解消するかもしれません。そして「NTFS_FILE_SYSTEM」です。この他にもFILE_SYSTEMというキーワードのSTOPコードがあります。パソコンのストレージであるSSDやハードディスクが故障しているまたは故障しかけている可能性もあります。意外と再起動させると現象が消えてしまうことがあるのですが、これを CrystalDiskInfo などのツールを使ってディスクの健康チェックをしてみると、ディスクに異常がみられるケースがあります。メモリにしてもストレージにしても事前に異常がわかることがあるかもしれません。

うろたえないでブルースクリーン

たいていの場合は再起動で事象が消えてしまうとか、時々出るということになると思います。そのように事態にもバックアップをとるまたはそれに準ずる運用をすることも大切です。救える可能性ねあります。可能であれば、ブルースクリーンからの情報を見てみてください。

参考情報

Windows のブルー スクリーン エラーの解決 – Microsoft サポート

YouTubeでも解説しています

悲しまないでブルースクリーン

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