イキガミと星新一さんの作品

イキガミという映画が公開されるらしいんです。私は今まで知らなかったのですが、これはコミックの映画化です。国家繁栄維持法という法律があって18歳から24歳までの若者に1/1000の確率で死亡が宣告され24時間で亡くなってしまうというものです。つまり自分が死ぬかもしれないということを意識しながら命の大切さを認識させるというものです。映画では死亡が宣告された三人の若者が人生最後の24時間をどう生き抜くかということを描くものです。

 さて、この作品最近話題になっているのが星新一さんのショートショートの「生活維持省」という作品と類似しているということです。つまり盗作ではないかということです。星新一さんの娘さんの星マリナさんが星新一さんのオフィシャルサイトで見解を述べられています。期間限定ながら小説の全文をも載せられています。(2008年12月18日まで)

 私は星新一さんの大ファンで小学生の頃からショートショートは読みあさりました。特に「午後の恐竜」が好きですね。もう手元に残っていないと思うので今からでも入手して改めて読んでみたい気もします。

 さて、星マリナさんの見解と同時に小学館側の見解も読みました、そしてショートショートも読んで映画の予告編もオフィシャルサイトで読んでみました。確かに、背景は全く一緒です。多少表現の違いはありますけどね。星新一さんの作品ではそういう背景があり実際一人亡くなってしまう事実とその後のショートショートによくある”オチ”で終わります。星新一さんならではのお話です。一方、イキガミは同じ背景がありながら死亡宣告されてしまった若者の物語が展開されます。イキガミは現実そうなってしまった場合の当人の描写を詳しく描いているんです。私の見解では作品全体としては別物ではないかと思います。ただ、物語の背景を拝借したのではないかと言われるとそれは実際のところは分かりません。「原案は生活維持省のイキガミという作品」というのが星さん側の見方の一つではないのかと思っています。

 星新一さんという作家をお父さんに持つ娘さんとしての心情を私ごときが理解できるわけではないのですが、やはり釈然としないものがあったのだと思います。両方の見解を載せてあとは読者の見解にゆだねると言うことは大人の対応であると評価したいと思います。

 私に最後の24時間を与えられたら・・・とりあえずもうその日は会社は行きません。今推進している仕事ももう引き継がれないだろうし、その方が好都合な方もいるかもしれませんし。家族にはその事実は(最初から知られていなければ)一切話さず家族と普通に普通に過ごしたいと思います。ただ、娘のことを思うと涙腺がゆるみますね。(;_;)(いかん、歳か・・・)

 このニュースを見るまではイキガミという映画は知りませんでしたし、原作コミックの存在も知りませんでした。この映画凄く見たいですね。きっと私は泣けますよ。ただ、劇場公開前の週の週末にこういう事が話題になるというのは何か策略めいたものがあると思うのは私の邪推でしょうか?

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