第1章 パソコン少年誕生
1.4 マイコンからパソコンへ
1980年。既にこの時は市場にはパソコンが出回っていました。代表的なパソコンは日本電気(NEC)のPC-8001とシャープのマイコン博士MZ-80Kでした。マイコンという言い方からパソコンという言い方に変わってきたのはこの頃です。マイコンはマイクロコンピュータの略ですが、「私のコンピュータ(My Computer)」とも言われていました。個人で持てるようになったコンピュータというものがこの頃だったのです。そして、パーソナルコンピュータ、略してパソコンと言われるようになりました。もともとPC-8001のPCという名称はPersonal Computerから来ています。「パソコン」じゃなくて「パーコン」が正しいという議論もありました。
個人的にはというか周りの誰よりも先にマイコンに興味を持ち始めた”先駆者”の私としてはパソコンという響きがいかにもおもちゃっぽくて好きではなかったですね。「中で駆動しているのはマイクロコンピュータなのでマイコンが正しい」派でした。(いや、そんな派閥はないが)でも、あまりにもパソコンが普及してしまったので、パソコンと呼ぶことに折れてしまいましたが。それでもパーコンと言い続けていたやつはいましたけどね。もちろんパソコンなんでいうのは日本だけで、海外ではPC(ぴぃーすぃー)でしょうけど。
日本で初めてパーソナルコンピューターと呼び名を付けたのがなんとマイクロコンピュータで稼働する個人用のコンピューターではなかったようです。日立製作所が1969年2月に完成させた日本初のミニコンピュータHITAC 10にパーソナルコンピューターという言葉が使われたようです(*1)。もっとも、個人用というものではなかったかですけどね。