第3章 もしかしたら買えるかも!!低価格パソコン
3.2 ぴゅう太
特殊な例のパソコンとしては、「ぴゅう太」が挙げられます。これは電機メーカーからではなく、おもちゃメーカーのトミー(現タカラトミー)から発売されたパソコンです。価格は59,800円。いわゆる低価格帯のパソコンです。カートリッジ式でゲーム専用機として動かすことができました。むしろ、おもちゃメーカーからの発売で家庭用ゲーム機としての要素が強かったでしょう。
プログラミング言語はBASICでしたが、命令を記述する日本語BASICでした。例えば、BASICの’GOTO’(指定した処理にジャンプ)は’ニイケ’、’PRINT’文は’カケ’などに置き換えられていました。ゲーム専用機的機能からわかりやすく日本語でという意図があったと思いますが、逆にわかりづらいところがありました。後に英語表記のBASICも登場しました。ゲームを作ることもできると画期的な機能もありました。グラフィック表示ではスプライト機能も使えました。スプライト機能はゲームなどのキャラクター描画には強い機能でした。この機能を持たないパソコンでは背景のある画面にゲームキャラクタを描画する際に背景とキャラクターの画像を重ね合わせたデータを作って描画させなければなりませんでした。スプライト機能を使えば、プログラミングの際、背景との重ね合わせを気にすることなくキャラクターの描画ができ、ゲーム作成が楽になります。パソコンでゲームを作りたかった私はこの機能に憧れていました。
大変興味深いパソコンではあったのですが、家庭用ゲーム機と競合することとなり任天堂のファミリーコンピュータの登場で縮小していきました。